21世紀美術館へ初めて行った。昼から夕方まで息子と2人で延々と鑑賞していた。こういう時、ありがたいことに息子は嫌な顔せず俺に着いてきてきてくれ楽しんで一緒に鑑賞共有してくれる。いつもありがとう。今回は2人ともがこの作品に特に引き込まれた。
https://www.kanazawa21.jp/data_list.php?d=5&g=30
薄暗い空間に楕円の黒。その空間そのものに2人共引き込まれ色んな角度から黒い楕円を見続けていた。部屋には美術館スタッフの女性がいる。作品に手を触れないようにだとか、写真撮影への注意喚起するためのスタッフさん。連休なこともありお客さんは流れるように次々と入ってくる。が、俺と息子のようにずっとその場所へ立ち尽くして見ているのは稀だ。そしてほんの一瞬、5秒。それすら無かったかもしれないけどもスタッフさんと俺たち2人だけになった瞬間があった。その時、スタッフさんが「よいしょっと」と言いながら腰を降ろされた。すぐにまたお客さんが入ってきたのですぐに立ち上がる。そのスタッフさんの一瞬の出来事。自分ら2人が完全にその作品に取り込まれておったからスタッフさんは俺たち2人の前ではひとりの人間になってくれた。なのかわかんないけど意識が通じ合ったような気がした。
【コーヒーは外で歩きながら飲むもんじゃない話】
美術館近くを散歩していて見つけた渋めな喫茶店へ。昼間なのにかなり暗い店内、マスターも無口で、店内BGMなど無く振り子時計の音だけが鳴っている。俺も息子も無口なもんだから、そりゃもう静寂 of 静寂。
頼んだコーヒーを淹れながらマスターが言った。「ちょっと余韻を少々いれますね。」砂糖をひとつまみ入れるのが余韻らしい。
その後、店内に女性2人のお客さん。「ここってテイクアウトできますか?」
マスター「うちはそういうのやってないよ。コーヒーは外で歩きながら飲むもんじゃないよ。お店へ入ってくれるなら美味しいコーヒーお出ししますよ。今時、アメリカ式のコーヒーのお店ばかりだから。ちゃんとお店で飲んで欲しいな。どうしますか。」
少し戸惑いながらも入店された。
粋だ。俺はその様子を聞きながらコーヒーをいただいていた。息子はモーニングのトーストをアイスティーと一緒に食べている。砂糖をひとつまみ入れてらっしゃったが混ぜられる様子もなくスプーンも出されないので混ぜずにそのまま飲んでいた。そうすると飲み干す最後に沈殿した砂糖の甘味が感じられて、あぁこれがマスターの言っていた余韻か!となった。コーヒー1杯でこれほどまでにストーリーを感じさせてくれるとは。以前、友人と喫茶店でコーヒーを飲んでいた時に、普段砂糖を使わない友人がこうしたコーヒーは砂糖1本入れた方がうまい、と言っていたのを思い出した。今度からブラックで飲むにしても砂糖を少しいれて沈殿させて飲もうと思った。
【車中泊での息子との話】
1日目は道の駅にて車中泊。初日な事もあり息子はテンションも高くなかなか寝付けずにいた。そしたらお父さんと喋ろうぜ~って言って、普段あまり会えないから小学校の話を聞いてみる。あまり小学校の話はしたがらないんだけど、以前会った時に「学童で仲いい女の子がひとりだけいる。」って聞いてたもんだから最近その子と話してる?などと聞いていた。
「最近は話していないよ。ぼくが急に大きい声出したり、他のみんなからあいつは変なやつ。って言われてから話せなくなった。」と悲しくなる事を聞く。母親にはあまりこういう事言えてないらしい事も。それを聞いて俺なりに伝えたい事を伝えた。
「ぼくは頭でずっと色々な事考えちゃってよくわからんくなったら大きい声出す。そういえばこの前、机に耳当ててずっと聞いていたら教室の音が全部聞こえる事発見したよ。」
なんとなく彼の学校生活を少し想像して、グッときたし、褒められるだけ褒めた。
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